導入事例

「クラフトマンシップ」と共存するデータ文化へ。KPIを起点に進める現場変革

株式会社壽屋

2025/06/10

株式会社壽屋 及川祐治様
会社名
株式会社壽屋
業種
玩具・ホビー製造販売
利用サービス
Champions(1Day ver)
参加人数
47名
会社規模
〜500名
ご担当者様
経営企画室 チームマネジャー 及川祐治様

壽屋では、職人文化に根ざした意思決定スタイルを大切にしながらも、変化する時代に対応するため、データを活用した新たな意思決定基準の確立に着手。KPI導入を機に、データを活かす素地と体制の必要性を感じ、全社的な意識変革を目指してパルクールジャパンのワークショップを導入しました。本取り組みの背景から現場の反応、そして今後の展望までを伺いました。

経験則からの脱却とKPI導入が促した、データ活用文化への転換点

—— 今回ワークショップ導入に至った背景や、当初の課題感について教えてください。

及川様:データ活用に取り組むきっかけとなった課題は、大きく分けて2つありました。

1つ目は、社内の意思決定において「データを基に行動する文化」を根付かせる必要性を感じたからです。弊社はもともと「クラフトマンシップ(職人魂)」を大切にする文化で、経験や直感を重視する傾向があり、データを重視する考え方についてはあまり浸透していませんでした。

しかし、近年のAIやデジタル技術の進化によって、データ活用が当たり前となりつつある中で、弊社の取り組みが遅れていることは大きな機会損失であり、競争力の低下にもつながると危機感を持つようになりました。そこで、「社内外のデータを収集・活用し、ビジネスに生かす」ことを明確なテーマとして掲げ、データドリブンな組織文化の醸成を目指すことにしました。

2つ目の課題は、KPI(重要業績評価指標)の導入です。データドリブンな組織文化の醸成を目標として掲げた同時期に、KPIを社内で導入する方針が持ち上がりましたが、その運用には多くの知識とスキルが必要であることがわかってきました。

たとえば、KPIの進捗をモニタリングするには、データの収集・加工・作成、ダッシュボードの構築、閲覧環境や運用フローの整備、さらにはドリルダウンによる課題分析など、多岐にわたる対応が求められます。KPIの導入において、「社員がKPIの意味を理解し、実際に運用できるようにするにはどうすべきか」という、より解像度の高い課題が浮かび上がってきました。

結果として、「KPIを活用するためにも、データ活用ができる人材・環境の整備が必要だ」という結論に至り、この2つの課題を軸に社内の取り組みを進めていくことになりました。

—— パルクールジャパンのワークショップを知ったきっかけは?

及川様:あるセールスイベントで、パルクールジャパンさんが開催するワークショップに参加する機会がありました。当初は「Tableau(タブロー)ダッシュボード活用方法」程度の内容を想定していたのですが、実際はKPIの設計からデータの活用方法までを一気通貫で学べる非常に体系的な内容でした。

社内でちょうどKPI導入を進めていたタイミングだったこともあり、「これはまさに自分たちに必要なものだ」と強く実感しました。そこから導入を前向きに検討しました。

実際に導入を決めてご相談した際も、あらかじめ用意されたプログラムをそのまま提供するのではなく、弊社の課題や目的に合わせて柔軟に内容をカスタマイズしてくださいました。たとえば、グループワークのテーマも私たちの業務や目標に沿った内容にアレンジいただき、現場の実情に即した非常に実践的なプログラムになったと感じています。

及川祐治様 インタビュー風景

KPI設計の質を高めた、データリテラシー浸透と現場の意識変化

—— ワークショップにはどのようなメンバーが参加されたのでしょうか?また、実施後の社内の反応はいかがでしたか?

及川様:今回は、各部署の上司から推薦を受けたメンバーに参加してもらいました。「Champions」という「データ活用を推進するための推進者を育成する」というプログラムであったこともあり、できるだけ“変化を牽引できるリーダー層”を中心に、部署の代表として参加してもらうことで、ワークショップの学びを現場に持ち帰り、実務に活かしてもらうことを期待していました。

実は「データ」や「KPI」といった言葉に対して、最初は抵抗感を持つ社員もいるのではと不安もあったのですが、実際には参加者の反応は非常に前向きでした。ワークショップ後にパルクールジャパンさんに実施いただいたアンケートでは、7割の社員が「もっとデータを活用したい」「今後も学び続けたい」と回答してくれて、学ぶ意欲の高さを実感しました。

特に印象的だったのは、これまでデータに関心がなさそうだった社員が、ワークショップの場では非常に意欲的に発言していたことです。データというテーマを通して、それぞれの社員の新たな一面や可能性を引き出すことができたのは、大きな成果でした。

また、「KPI」や「可視化」といった言葉が社内で共通言語として共有されるようになってきたことで、部署間の会話がスムーズになったと感じています。同じものを学び、同じ視点を持てたことが、コミュニケーションを円滑にする大きな要因になっていると思います。

—— KPIの設計について、ワークショップを受けたことがどのように影響していますか?

及川様:今回のワークショップを通じて、「データの考え方」そのものが社員の中にしっかりと根づき始めていると感じています。KPIを設計する上で、「そもそもその指標は測定可能なのか?」「そのデータはどこから取れるのか?」といった観点が自然と出てくるようになったのは、ワークショップで学んだ“データリテラシー”がベースにあるからだと思います。

また、以前は「こういうKPIを設定したい」という理想論が先行しがちだったのですが、今は「実際に取得できるデータ」「運用可能な仕組み」といった現実的な視点を踏まえたKPI設計ができるようになってきています。アウトプットの精度や実現可能性が大きく高まっていると感じています。

参加者への今後の学習希望調査の結果

経験・直感と並ぶ“第三の判断軸”として、データ活用を日常に

—— 今後、データにおける御社が目指す体制や展望について教えてください。

及川様:今後の展望は、大きく「体制」と「活用範囲」の2つの観点で考えています。

まず体制については、すべてのチームに最低1人は、一定のデータリテラシーを持った人材がいる状態を目指しています。いわゆる専門家だけでチームを組むのではなく、現場の中に“データのわかる人”が点在しているようなイメージです。そうすることで、各現場での判断や改善にデータを自然に取り入れていけると考えています。

次に活用範囲については、当面は主にKPIを中心とした“社内データ”の活用がメインですが、もっと先を見据えると、今後はマーケティング領域、たとえばお客様の声や製品に対するフィードバックなど、“外部データ”にも活用の幅を広げていきたいと考えています。

お客様のニーズを可視化し、製品開発やサービス改善に役立てるような循環をつくることで、より価値ある意思決定ができるようになるはずです。

弊社が長年培ってきた「経験」や「直感」を重んじる文化も大切にしながら、今後は「データ」という新しい判断材料を“第三の意思決定基準”として加えていく形が理想だと考えています。そのバランスを見極めながら進めていくことが、今後の大きな課題だと思っています。

—— そうした変化を支える取り組みとして、パルクールジャパンのプログラムにも期待している点はありますか?

及川様:はい。弊社のように、データ活用をこれから本格化させたい企業にとっては、「広く浅く」リテラシーを底上げするような教育と、ある程度専門性をもった人材の育成の両方が必要だと思っています。

パルクールジャパンさんのプログラムはその両方に対応していて、会社全体の基礎力を上げることと、各チームでデータ活用に関する実務を引っ張れるような人材を育てることが並行してできる。そういった点で、非常に有効だと感じています。

及川祐治様 インタビュー風景

—— 最後に、同じような課題を抱えている企業に向けて、パルクールジャパンのサービスをおすすめするポイントや、導入に悩んでいる企業へのアドバイスがあれば教えてください。

及川様:パルクールジャパンさんのプログラムは、目的やレベルに応じてさまざまな選択肢が用意されているのが大きな特長だと思います。たとえば、「専門人材を育てて本格的にデータ活用を進めていきたい」という企業にも対応できますし、「まずはライトに、社内にデータの考え方を浸透させたい」という段階の企業にもマッチするプログラムが揃っています。

特に、長い歴史のある企業や“職人文化”を大切にしてきた企業にとっては、データを組織文化に取り入れることに難しさを感じるケースも多いと思います。そうした企業こそ、段階的に、そして丁寧にカルチャーを育てていくパルクールジャパンさんのアプローチは相性が良いのではないでしょうか。

まずは、自社が現在どの程度“データドリブンな文化”が根付いているのか、整理してみることをおすすめします。現状をある程度捉えることで、次に目指す方向性や取り組みの優先度が見えやすくなります。

また、「自社としてどこまでを目指すのか」というゴール感を持っておくことも重要です。そこから逆算して、現状とのギャップを整理しておくと、自社に最適なプログラムや進め方を一緒に設計しやすくなるのではと思います。

及川祐治様 インタビュー風景

※本記事内の数値や画像、役職などの情報はすべて取材時点のものです