
Re-grit Partnersでは、クライアントのデータ活用を支援する中で、上層と現場の目線のズレが推進の壁になる場面を多く目にしてきました。こうした課題に対して注目したのが、パルクールジャパンのワークショップ。体験を通じて目線を揃え、初動から定着まで一貫して伴走できる可能性に魅力を感じ、アライアンスをスタートしました。今回は、アライアンスを主導する菊田様に、現場で感じた課題と、パルクールジャパンとの取り組みを通じて見えた新たな価値についてお話を伺いました。
上層と現場で揃わない“データ活用の温度感”。推進を阻む目線のズレ
――日頃、クライアントと向き合う中で、どのような課題を感じていますか?
菊田様:最近では「データを活用していません」という企業は、本当に少なくなってきていると感じています。私自身、データ系のシステムを提供しているベンダーやSIerの方々と話す機会も多いのですが、特にエンタープライズ企業では、すでにBIツールや各種システムを導入しているケースがほとんどです。
ただ、それを「使いこなせているか」というと話は別で、実際のところ活用できていない企業の方が圧倒的に多い印象です。
私はデータ活用の段階を、レベル1からレベル4までのフレームで捉えています。レベル1は「データの収集・整理」、レベル2は「購買データや経理データ、営業データといった各種データを統合し、BIツールで可視化する段階」、レベル3が「可視化されたデータを分析してインサイトを得る段階」、そしてレベル4が「得られたインサイトをもとに業務改善や戦略立案といったアクションにまで落とし込む段階」です。
このレベル4まで到達できている企業はごくわずかで、大半の企業は可視化までは進んでいても、その先の意思決定や行動変容には至っていないというのが実情です。
また、データを扱える人材がいるだけでは不十分です。たとえば、エンジニアがインサイトを導き出せたとしても、それをビジネスにどう活かすか、どこに接続すれば成果につながるかという視点が欠けていれば意味がないと思っています。本来、データを活用するためには、ビジネスを前に進める視点を持った人、現場をよく知る人、サービスを設計できる人など、さまざまな関係者が連携することが不可欠です。
さらに、事業部ごとに異なるツールを導入していたり、ツールを使える人材がごく一部に限られていたりと、仕組みやスキルの分断も大きな障壁です。ツールを使うことができないメンバーは、どうしても出てきた数字を見て「そうなんだ」と受け身のリアクションをするだけにとどまってしまいます。「こういう見せ方がいい」「この形式で出してほしい」といったフィードバックが出せないことも、活用が進まない一因だと考えています。
――そうした課題に対して、従来はどのようなアプローチをとられてきたのでしょうか?
菊田様:私たちはコンサルティング会社として、クライアントが抱える課題を可視化し、解決に向けた伴走支援を行っています。ただ、実際にプロジェクトを進めると、なかなか現場が動いてくれないということもあります。
その理由の一つが、プロジェクトのスタート段階で対話しているのがプロジェクト責任者やCXOクラスなど上位層であることです。彼らとだけ握って進めても、いざ現場に展開したときに「なぜこれをやるのか分からない」「もっと別の課題があるのでは」といった声があがり、“腹落ち感”のないまま進んでしまう。結果として、プロジェクトが空回りしてしまうということが起きる場合があります。
そこで、上位層と現場の目線を合わせる“仕組み”が必要だと強く感じるようになりました。単に資料やプレゼンテーションで理解してもらうのではなく、何か別のアプローチ方法はないかと。
講師が促す建設的対話。目線が揃い、プロジェクトの初動が加速するワークショップ
――その解決策の一つとして、パルクールジャパンのワークショップに注目されたのですね。
菊田様:はい。以前からワークショップ形式のアプローチには関心がありました。アライアンスを検討するにあたり、まずは自分たちが体験してみようということで、弊社のマネージャー層とメンバー層、あわせて16名がパルクールジャパンさんのワークショップに参加しました。
参加前は、それぞれが異なる立場や視点から物事を見ていたのですが、ワークショップ終了時には不思議なほど自然に目線が揃っていました。
たとえば、あるクライアントの想定課題に対して議論するワークを行ったのですが、「ゴールはどこか」「どこを改善すれば最も効果が出るのか」「それはシステムの課題なのか、それともカルチャーの課題か」といった議論が自然に深まっていきました。そして最終的な解決策について、参加者全員の意見が一致したんですね。
たった1日のワークショップでここまで目線が揃う体験というのは、通常のコンサルティングプロジェクトではなかなか得られないものでした。
この体験をクライアントに置き換えると、プロジェクト開始時にチーム全体が「ゴールに向かう道筋」を共有できるということになります。それができれば、プロジェクトのスタートダッシュがまったく違ってくるはずだと確信しました。
こういった目線合わせのアプローチは、これまで私たちが行ってきたコンサルティング手法とは異なるものであり、そこに大きな魅力と可能性を感じました。
――ワークショップの内容で、印象に残った点はありますか?
菊田様:今回、特に楽しみにしていたのは「コンサル脳の人たちがワークショップを受けたら、どんな反応をするのか」でした。
というのも、私たちコンサルタントが作成する資料は、基本的に文字がびっしり詰まった論理的な構成です。後から誰が読んでもわかるように設計されたものですが、パルクールジャパンさんの資料はまったく異なっていました。文字数を最小限に抑えつつ視覚的に構成されており、その場で理解しやすく、記憶にも残りやすい設計になっています。
この「視覚的にわかる」ということは、短期のワークショップにおいて非常に重要で、効果的であると強く実感しました。正直、弊社の社員があのような資料を作るイメージはなかなかわかないですね(笑)ワークショップにおいては、まさに理にかなったアプローチだと思いました。
講師の質の高さにも驚かされました。私も今まで数多くのワークショップを受けてきましたが、その中でもパルクールジャパンさんの講師は群を抜いて優秀でした。
多くのワークショップ講師は、同じ内容を繰り返すうちにテンプレート化されてしまい、受講者の理解度や状況に応じた柔軟な対応が難しくなりがちです。その結果、双方向のやりとりが生まれづらくなるのですが、パルクールジャパンさんの講師は、参加者の反応を丁寧に拾いながら、的確に問いを投げかけてくれるなど、その場での調整力に長けていると感じました。
説明の仕方も非常に洗練されており、講師向きの人材を計画的に育成・配置していることがうかがえました。また、講師の立ち居振る舞いもとてもフラットで、まるで隣の席に座って一緒に考えてくれるようなスタンスだったため、受講者もリラックスして意見を交わしやすい空気が生まれていました。
よくある「眠くなるワークショップ」や「やらされている感」が一切なく、全員が主体的に取り組めたことも非常に印象的でした。
――社内でワークショップを受けられた方々の反応について教えてください。
菊田様:今回受講したのは「Champions」という、データ活用を推進するための推進者を育成するプログラムでした。弊社向けに、4時間で実施するという少し短縮した形にカスタマイズしていただきました。
その上で、満足度は5点満点中4.8点という非常に高い評価を得ました。さらに「このワークショップはお客様に提案できそうか?」という項目については、「はい」と答えたメンバーの割合が100%でした。単なる自己満足ではなく、“顧客にすすめられるか”という実践的な観点でも評価が高いということです。
この評価が高かったのは、やはり講師の質やコンテンツの完成度の高さによるものであり、それだけ受講者が価値を感じてくれた証拠だと思います。アンケートの自由記述欄にも、「クライアントの課題解決につなげられそう」「クライアントにデータの有効性を理解してもらえそう」といった前向きな声が多かったです。今回のワークショップが一過性の学びではなく、継続的なアプローチにつながる手応えを強く感じています。
初動と推進の両輪を担う。協業によるデータ活用支援のフルスコープ体制へ
――クライアントへの提供価値としては、どのようなイメージを持たれていますか?
菊田様:私たちがターゲットにしているのは、すでにシステムを導入したものの、うまく活用できていないクライアント企業です。データ活用をダイエットにたとえると、ダイエットは「やろう」と思い立つまでが一番大変ですよね。そして、ようやくやる気が出ていざ始めようとしても、「何から始めればいいのか分からない」「一人では続かない」という壁にぶつかる。
それと同じで、企業も「データ活用しなければ」と思っていても、その最初の一歩をどう踏み出すかで立ち止まっているケースが多いと感じています。そうした中で、パルクールジャパンさんのワークショップは、初動を後押ししてくれるきっかけとして、大きな役割を果たすと感じています。
パルクールジャパンさんは、クライアントの重い腰を上げ、モチベーションを引き出す部分がとても上手です。そして、戦略立案や業務改善、カルチャー変革、人材育成といった中長期的な取り組みは、弊社の得意領域。お互いの強みを活かして並走できる関係性こそが、クライアントにとって最も大きな価値になると考えています。
――今後、さらにアライアンスを拡張していく構想などはありますか?
菊田様:現在、すでにクライアント様にはご提案を進めており、実際に興味を持っていただいているクライアント様もおります。
ただ、パルクールジャパンさんと弊社だけでこの取り組みを広げていくのは限界があると感じています。クライアントと接点を持つためには、既存のSIerやベンダーのようなパートナーの存在も欠かせません。だからこそ、今後はそうした企業とも積極的にアライアンスを組んで、よりオープンな連携体制を構築していきたいと考えています。
冒頭でも申し上げた通り、実際、システムを入れたけれども使いこなせていないという課題を抱えている企業は非常に多く、SIerの方々もそこに対して困っているという声をよく聞きます。そうした企業やパートナーと一緒に、「導入したシステムをどう活用するか」というフェーズに向けた支援を広げていけたらと思っています。
また、今後は、一緒にプログラムを作っていくような取り組みにも、挑戦していけたらと考えています。
現在、パルクールジャパンさんには完成されたワークショッププログラムがいくつか用意されていますが、それをベースにしたカスタマイズや、まったく新しいテーマでの共同開発などにも可能性を感じています。
たとえば、データ活用に加えて、AIやAIエージェントの導入、DX推進といったテーマに対する企業の関心も高まっています。いずれも課題が抽象的で捉えづらいため、ワークショップのような体験型のアプローチが、具体的な気づきや行動につながるきっかけとして非常に有効だと考えています。
実際、私たちが他社の導入事例などを見ても、4時間程度に凝縮されたワークショップが非常に好評を博しており、ニーズは確実にあると感じています。今後は、そうしたニーズに応えるためにも、テーマごとのオリジナルプログラムを共同開発し、柔軟に展開していきたいと思っています。
私自身、パルクールジャパンさんの“ファン”として、その価値を強く実感しています。今後は社内外でこの魅力を伝えながら、共感してくれる“ファン”を一人でも多く増やし、取り組みの輪をさらに広げていけたらと考えています。
※本記事内の数値や画像、役職などの情報はすべて取材時点のものです。
